IFRSとEBSとSAPと…①

前回のブログで、「昨今の内部統制やIFRS対応等、グループ全体の大量
の会計データをカバーする会計システムの必要性が高まっている」と書き
ました。

そうです。今の企業システムの旬とえば、「IFRS」です。

今回のブログからは、「IFRS」の内容にふれながら、「システム対応」
について書いていきたいと思います。

まずは、「IFRS」についておさらいしておきます。

1)概要
企業活動の国際化が進む中、各国で採用している会計基準では国際間
比較は困難であるため、会計基準の国際的統一が期待されてきました。

その為の国際会計基準が、
IFRS(International Financial Reporting Standards)であり、
世界110カ国以上で採用されている基準となります。

呼名は、「アイファース」・「イファース」等です。

この国際会計基準審議会(IASB)によって設定されたIFRS(国際会計基準)
は、2005年よりすでにEU域内市場での統一基準として採用されています。

日本でも、2009年度から「選択適用」が認められ、上場企業への適用が
義務づけられるかは2012年に最終判断されるものの、早ければ2015年に
「義務化」という方向性が示唆されています。

現在のところ、IFRS導入のロードマップは次のようになっています。

2010年3月期より、任意適用が開始(現在、日本電波工業のみ開示)

2012年に強制適用の判断

早くて2015年3月期より、強制適用開始

強制適用予定まではまだ5年余りあるわけですが、その間においても
コンバージェンスが進行し、日本の会計基準そのものがIFRSに収斂
(しゅうれん)していくため、毎期その対応が必要になってくること
と思われます。

2)IFRSの特徴
では、IFRSと日本の会計基準は、何が違うのでしょうか。
これまでも会計基準の変更はありましたが、そんなに異なるのでしょうか。
いかに、IFRSの特徴として一般にいわれるのは、次の4点になります。

①原則主義
独自基準を採る日本や米国の会計基準は「細則主義」といわれるのに対し、
IFRSは「原則主義」といわれます。
「細則主義」とは会計処理上でいろいろな局面でのルールや基準を詳細な
規定であらかじめ決めておくことをいい、日本や米国の会計基準などが
これに当てはまります。
これに対しIFRSが採る「原則主義」とは、おおまかな原理原則だけは決めら
れますが、細かい規則や数字基準は示さないものになります。

②公正価値
IFRSではすべての資産負債を公正価値によって評価しなければなりません。
しかしながら、すべての資産・負債を時価評価しければならないわけでは
ありません。
例えば、IAS16 号「有形固定資産」では、
原価モデル(取得原価から減価償却累計額を控除した価額で計上する方法)
と再評価モデル(所有する有形固定資産の公正価値を評価しその後の減価
償却累計額を控除した価額で計上する方法)のいずれかの選択適用を認めて
います。多くのIFRS を採用している多くの会社では原価モデルが適用されて
いるようです。
また、IAS38 号「無形資産」でも同様に原価モデルと再評価モデルの選択
適用が認められています。

③マネジメントアプローチ
マネジメント・アプローチとはIFRSで導入される事業セグメント情報の開示
方法です。今までの日本における事業セグメント情報の開示はインダストリー
・アプローチとも呼ばれ、「事業の種類別」・「所在地別」・「海外売上高」
といったセグメントで開示がされる各社同一の方法でした。
このインダストリー・アプローチは、企業間の比較を容易に行えるといった
利点があった一方で、単一事業しか手がけていない企業もあり、実際の経営
管理に必ずしも即したものではありませんでした。
具体的には、財務諸表から情報を得る側にとっては「事業の括りが大きすぎ
で、企業を適正に評価できない」といった問題がありました。

そのため、IFRSではセグメントの区分をあらかじめ特定せず、情報を開示する
企業が経営者の意思決定や業績評価に使用するセグメントの区分方法に基づい
て、情報開示することになりました。それがマネジメント・アプローチです。

マネジメント・アプローチの導入のために、企業は事業セグメントの管理区分
の再検討が必要になります。
仮に、事業セグメントの管理区分が実際の組織構造とは異なっている場合、
事業セグメントの管理区分を明確にしたうえで、現在の組織構造を再編成する
必要があります。
なぜなら、事業セグメントの管理区分が実際の組織構造とは異なっていると、
そこから得られる情報はマネジメントアプローチで掲げる「経営者の意思決定
や業績評価に使用する情報」と相反してしまうためです。

④包括利益
多くの日本企業は、伝統的に売り上げや利益を重視してきました。
収益から費用を引いたものが期間損益となり、それを内部留保として資本に
ためこんでいくという発想が主流でした。
IFRSでは、資産から負債を引いた純資産に着目してこの純資産が期首から期末
までにどれだけ増えたかを計算します。これが包括利益と呼ばれます。
この純資産の変動には、遊休地などの固定資産の価値の動き、あるいは、
為替の変動などによる影響も反映されるため、本業での利益と合算される
ことに日本企業はアレルギー感を持っています。
IFRSでは、当期利益の表示さえやめようという動きもあります。


さて、今回は、IFRSの概要を記載しました。

IFRSの強制適用ははやくて2015年から・・・。
ですが、多くの企業は、2015年以前での導入をするのではないでしょうか。

まさに、現在・来季の予算の一つに、IFRS関連のプロジェクト・システム
導入が含まれる企業は、多くあるのではないでしょうか。

次回からは、IFRSとシステム対応について個々に見ていくことにします。




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